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京都市は2011年5月に「震災がれき受け入れ可能」と国に回答しました。市民の意見により2011年10月に受け入れ意思を撤回したにもかかわらず、2012年3月頃政府・産業界・マスコミ一体となった広域処理推進キャンペーンにより、2012年4月に「試験焼却後受け入れ可能性あり」と再表明しました。

2012年5月29日に行われた「第1回京都市災害廃棄物広域処理に係る専門家委員会」は200名の傍聴者で会場は満席。市民の高い注目を集めるなか、環境省側が2012年7月に要請を取り下げました。

行政は「処理計画の目処が立った」という理由で、京都市での震災がれき受け入れを見送りましたが、がれき焼却に伴う健康被害リスクについては認めていません。放射性物質等の健康影響の過小評価は、食の安全や防災等の政策にも反映することです。今後も行政を注視し、申し入れを継続する必要があると考えます。


2011年6月30日木曜日

6/28 署名3170筆を京都市に提出しました。

2011年6月15日に「京都 ママ・パパの会」で署名を開始し、第一次集約期間において、3170筆もの署名をいただきました。ご協力くださった皆様に厚く御礼申し上げます。

★要求書本文はこちら

2011年6月28日、9名で京都市環境政策局を訪問し、要求書と署名簿を手渡しました。

そして要求書を読み上げ、順番にお願い・質問・意見などを申し上げました。

環境政策局の森田課長様をはじめ、ご担当職員の方々は、どなたも丁寧に質問や意見に対応くださいました。

「結局のところまだ何も決まっていない」「受け入れの容量があるとのみ回答した段階です。」と繰り返しおっしゃっていたので、私たちは今後とも動向を見続け、声をあげていこうと思います。

署名提出の様子は、京都新聞・毎日新聞・産経新聞の記者さんが同行取材してくださいました。







報道内容についてご意見くださった皆様へ

この度は貴重なご意見をいただきありがとうございました。大変たくさんのメールをいただき個別にお返事をお送りすることが難しいので、申し訳ありませんが、ここに私たちの思いを記させていただき、お返事にかえさせていただきたく存じます。

私たちの震災廃棄物に関する活動には、開始当初より多くのご賛同や励ましをいただくのと同時に、「被災地を見捨てるのか」「京都さえよければいいのか」という声から、反対に「年間10マイクロSv以下であっても受け入れるべきではない」という声まで、さまざまなご意見が寄せられてきました。インターネットを介して匿名でいただくのみならず、直接の知人友人から批判・忠告を受けることもありました。

そして、6/29に私たちの活動を報じたニュース記事が「Yahooトピックス」で取り上げられ、大変たくさんのご意見をいただきました。短い記事のなか、私たちの活動が「反対」「反発」であるという表現が目立っていたので、ここに改めて私たちの考えを書かせていただきます。

さまざまなご意見を受け、この活動に取り組む当会メンバー間で話し合い、自分たちの思いと向き合って確認したのは、以下のような思いです。

・今までにない規模の災害であり、大量のがれきが行き場を失っている現状を考えると、処理に協力できればと思う。

・ただし、従来基準値以上の放射性物質を帯びているものを拡散させてはいけない。人為的に拡散させると、対策がより困難になってしまう。

・支援は大切だが、みんなで分かち合おうという風潮のなかで責任の所在が曖昧になるのはよくない。

・住民の考えを置き去りにしたまま、話が進んでいることが不安。京都で処理を行うなら行うで、なし崩しに行うのではなく、きちんと市民の不安を解消し、作業員や周囲の住民の健康を必ず守る体制の元で行ってほしい。

・もし関西電力の原発で過酷事故があり、50~100km圏内である京都が汚染されたら、京都のがれきは京都に留めておいてほしい。放射性物質を人為的に拡散させず、日本のどこかに汚染を気にせず暮らせる場所を残しておいてほしい。

現在、暫定基準値以下とはいえ、放射性物質を含むであろう農作物等が全国を流通しています。京都市は残飯も焼却していますから、焼却灰の放射能は震災前より高濃度になっていることでしょう。また、全国の下水処理場で、汚泥から放射性物質が検出されています。大阪で検出されているということは、今後京都でも検出されるのではないかと予測しています。つまり、がれき処理をしていなくても、西日本の汚染は確実にすすんでいます。

これから西日本でも、焼却灰をどうするかという問題が浮上してくると思いますが、そうなってから対策を考えるのでは遅いです。私たちの活動は、行政に対する「放射性物質を含んだ廃棄物処理のあり方をきちんと考えてほしい」というメッセージです。

京都市では、保護者たちが声をあげたことによって、給食の放射能測定が始まりました。がれき処理についても、市役所に寄せられた約500件の意見を受けて「汚染のおそれがないとされる場合でも,仮に今後受け入れる段階では,市が安全性を確認することとしております。」と市の公式コメントに文章が追加されました。私たちは自分たちの信念のもと、同じ思いをもつ人たちと一緒に、行政へ自分たちの意見を言っていきます。そして、被災地を含む全国で「どうせ言っても変えられない」と考えている方たちに、「自分たちの思いを行政へ伝えよう」と呼びかけたいと思います。

京都 ママ・パパの会 事務局一同(2011年6月30日)

2011年6月29日水曜日

【6/29産経】「放射線」恐れ反対要望500件 被災地のごみ受け入れ問題 京都市


「放射線」恐れ反対要望500件 被災地のごみ受け入れ問題 京都市
(2011年6月29日 msn産経ニュース)

京都市が市内4カ所のクリーンセンターで東日本大震災被災地のごみ焼却に関し、受け入れ可能量を環境省に回答したことについて、同市内の幼い子を持つ親たちでつくる市民サークル「京都ママ・パパの会」が28日、10マイクロシーベルト以上の放射線を含むゴミの受け入れ、焼却をしないよう市に要望した。

◆市「決定ではない」

市は同省の協力依頼を受けて、年間5万トンの受け入れが可能と同省に伝えた。これに対し同会メンバーらが反発。街頭やインターネット上で署名集めを展開し、約3170人分を集め、この日、市に提出した。

市施設管理課によると、被災地からのごみ受け入れに関し、同様の要望がこれまでにも約500件寄せられたという。担当者は「受け入れはまだ正式に決まっていない。環境省からの打診に、受け入れ可能数量を答えただけなので、ただちに受け入れが始まることはない」と説明。「受け入れが決定した場合でも、市として安全性の確認をとっていくと同時に、市民の理解を得られるようにしたい」としている。

【6/29毎日】東日本大震災:放射性廃棄物受け入れ反対 京都市に3170人署名提出/京都

東日本大震災:放射性廃棄物受け入れ反対 京都市に3170人署名提出/京都
(2011年6月29日 毎日新聞)

京都市が東日本大震災の被災地で出た廃棄物の受け入れに協力の姿勢を示していることを巡り、子どもを持つ人たちで作る市民団体が28日、廃棄物の中に放射性廃棄物が含まれている可能性があるとして、受け入れに慎重な対応を求める約3170人分の署名を市に提出した。

署名を提出したのは市民団体「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」。同会では、市が環境省からの照会に、年間5万トンの廃棄物の受け入れが可能と回答したことを受け、年間10マイクロシーベルト以上の放射線量の震災廃棄物は京都に持ち込まないことや焼却しないことを市に求める署名活動を実施。今月15~26日まで街頭やインターネット上で呼びかけたところ、全国から署名が集まった。

2011年6月28日火曜日

【6/28京都新聞】災害ごみの処分、震災前の国基準守れ 京都市に署名


災害ごみの処分、震災前の国基準守れ 京都市に署名
(2011年06月28日 22時20分 京都新聞)

京都市内の保護者でつくる「放射能から子どもを守る京都ママ・パパの会」は28日、市が受け入れの意向を示している東日本大震災の災害ごみについて、震災前の国基準である「年間線量10マイクロシーベルト」以上のごみを処分しないよう求める3170筆の署名を市に提出した。

署名を手渡した主婦の岩佐明子さん(40)は「焼却炉周辺の住民は不安で、受け入れに住民合意をとってほしい」と要望した。

市は年間5万トンの受け入れ方針を決めている。国は原子力発電所から出るごみを一般処分できる基準として「10マイクロシーベルト」と定めているが、がれきなどの処分基準はなく、環境省が検討している。

2011年6月20日月曜日

【6/10】福島から避難中のママが京都市役所に要請書提出

2011年6月10日、福島から避難中のママSさんが、「放射能汚染された災害廃棄物処理を受け入れないでください」と、京都市環境政策局に要請書を提出。Twitterやメールの呼びかけに応じて集まった京都のパパ、ママ、子どもたち総勢30名が同行しました。

Sさんは、「福島からやっとの思いで子どもたちと脱出してきたのに、この関西の地まで瓦礫の焼却で汚染されたら、もう住めるところがなくなってしまう」「焼却問題は福島いじめではない。これ以上被曝地を増やしたくない」とおっしゃいます。

蒸し暑いなか、市役所の狭いスペースに立ちっぱなしで1時間半、赤ちゃん連れの方もいて大変だったようです。課長からは「国から具体的な指示はない」と。たくさんの職員がドアの横で聞いていたとのことです。

2011年6月16日木曜日

【6/16京都新聞】災害ごみ 京で焼却ダメ 下京で署名活動

6/15に四条河原町マルイ前で行った署名活動の様子が、京都新聞に掲載されました。

※クリックすると別窓で拡大表示します。


※ネット掲載にあたり個人の方のお名前を伏せておりますがご了承ください。

2011年6月11日土曜日

【6/11朝日】災害廃棄物、京都府内の7市町「処理に協力」

http://mytown.asahi.com/areanews/kyoto/OSK201106100160.html

被災地の災害廃棄物、京都府内の7市町「処理に協力」
(2011年6月11日 朝日新聞)

東日本大震災から11日で3カ月。被災地には、なお大量の災害廃棄物が残る。国が処理の協力を呼びかけ、京都府内では京都市や舞鶴市など5市2町が受け入れに前向きな姿勢を示す。市民の間には、復興支援への理解と放射性物質への不安が入り交じる。

環境省の推計では、震災で出た建材や家具、家電製品などの災害廃棄物は岩手、宮城、福島3県で約2500万トン。阪神大震災の時の約1.7倍に及ぶ。国は2013年度末までに最終処分する方針で、全国の自治体に協力を要請。これまでに約520の市町村・広域組合が受け入れを前提に回答したという。

京都府内では京都市、舞鶴市、福知山市、亀岡市、伊根町、船井郡衛生管理組合(南丹市、京丹波町)が表明。同組合は「ダイオキシン問題で焼却施設が使えなくなった時、周辺自治体に支援してもらった。今度は協力する立場」と言う。

「行政は情報をきちんと開示してほしい」。京都市の焼却施設「東北部クリーンセンター」(左京区)の2キロ南に住む男性(70)は不安を募らせる。「復興支援には協力していくべきだ。ただ、放射性物質が広範囲に飛散する中で、廃棄物の焼却によって健康に影響が出ないか心配だ」

京都市は環境省に対し、1日あたり生ごみ185トン、家具類15トン、年間では最大5万トンの受け入れが可能と答えた。市環境政策局の担当者は「大規模な処理施設をもつ政令指定市が協力しなければ、処理は追いつかない」と話す。

ただ、地元以外の廃棄物を受け入れるには、処理施設周辺の住民の合意が必要だ。市には今月9日までに市民から約490件の意見が寄せられ、大半が放射性物質への懸念の声という。市はホームページに「放射性物質に汚染されている恐れのある災害廃棄物は当面の間、移動、処分を行わない」とする国の方針を示し、対応に追われている。

一方、国への回答を見合わせた乙訓環境衛生組合(向日市、長岡京市、大山崎町)。「そもそも国は搬入方法や量を示さない。住民の理解を得ようにも説明の材料がない」と戸惑う。

亀岡市には先月、環境問題などに取り組む市民団体「亀岡夢咲くネット」のメンバーが訪れ、放射性物質に汚染された廃棄物は受け入れないよう要望。応対した湯浅敬三副市長は「廃棄物の受け入れを決めたわけではない。放射性物質の扱いは国が判断するだろう」と述べるにとどまった。

団体代表の村山起久子さん(51)は「がれきに含まれる放射性物質は微量でも、大量に燃やせばちりとなって大気に広がる。復興支援では、支援する側の安全確保も欠かせない」と話している。(堀田浩一)

2011年6月7日火曜日

【6/7京都新聞】京都市、災害ごみの処分前に独自調査の方針


災害ごみ、処分前に独自で放射能検査 京都市が方針
(2011年6月7日 22時34分 京都新聞)

京都市が東日本大震災の災害ごみを受け入れる意向を示したことに対し、市民から不安の声が相次いでいる問題で、市は7日の市議会くらし環境委員会で、処分前に市独自でごみの放射能検査を実施する方針を明らかにした。

環境省は「安全確認できたごみの処分を依頼する」としているが、市民の不安を払拭(ふっしょく)するには市独自の検査が必要と判断。委員会で環境政策局の田中秀幸担当部長は「受け入れ段階で市が安全性を確認する」と述べた。

被災地で受け入れ予定のごみを検査するか、運搬後に市内で実施するかなど具体的な方法は今後詰めるが、検査結果によっては処分を拒否する場合もあるという。

同省の協力要請で市は年間5万トンの受け入れ方針を示したが、放射能汚染を心配する市民から「子どもの健康が心配」などの反対意見が寄せられている。現在424件に上る意見のうち大半が反対という。(記事ここまで)


市民の声で京都市が動きました!

報道によると、6/7に開催された京都市議会の常任委員会「くらし環境委員会」において、環境政策局の田中秀幸担当部長は「受け入れ段階で市が安全性を確認する」と述べました。大きな前進です。

しかし、被災地で受け入れ予定のごみを検査するか、運搬後に市内で実施するかなど具体的な方法は今後の検討事項です。また、受け入れ基準(クリアランスレベル)は示されていません。

処分地の自治体が拒否すれば、災害廃棄物が来ることはありません。

「年間10マイクロシーベルト以上の廃棄物は受け入れないでほしい」

と、従来どおりのクリアランスレベル(10μSv/年)を求めていきたいと思います。市会議員・市会・市長へ声を届けましょう。