震災によるがれき処理へ規制緩和 環境省、再委託可能に
(2011年5月15日 16時33分 共同通信)環境省は15日までに、東日本大震災で発生した大量のがれきの処理を加速するため廃棄物処理法の規制を緩和し、地方自治体からがれきの収集や運搬、最終処分などを委託された民間事業者が、別の業者に再委託することを特例で認める方針を決めた。近く関連政令の改正を閣議決定する。
再委託は、処理責任の所在があいまいになり、ごみの不法投棄や放置といった問題につながる恐れがあるため、廃棄物処理法で禁止されている。
しかし震災で発生した倒壊家屋などのがれきは大量で、津波により塩分を含んでいるなど処理に専門技術が必要なものも多く、小規模な市町村が個別のケースに応じて委託契約を結ぶのは非効率との指摘が出ていた。
環境省の推計では、壊れた建物のがれきは岩手、宮城、福島3県だけで計2490万トンと、阪神大震災の1・7倍超に上る。このうち11日時点で仮置き場に搬入された量は14%にとどまるなど、処理が滞っている。
再委託が可能になれば、自治体からがれき処理を一括して委託された事業者が、焼却や埋め立てといった作業ごとに専門業者へ再委託することで処理がスムーズに進むと期待され、自治体にとっても委託業務が簡素化できるメリットがある。
環境省は今後、再委託先での適正処理を確認する仕組みや契約の公正確保、対象のがれきの種類などについて、関係省庁との調整を急ぐ方針だ。