京都市、舞鶴市、亀岡市など 震災ごみ受け入れ意向
(2011年05月12日 09時24分 京都新聞)
環境省が京都府内の市町村に東日本大震災の災害ごみ処理を打診したところ、京都市、舞鶴市、亀岡市、伊根町、船井郡衛生管理組合(南丹市)が受け入れる意向を示していることが11日、分かった。年間計5万3500トンを地元焼却施設で処理する方針だ。ただ、放射能の風評被害を懸念し決めかねている自治体も目立つ。
環境省によると、岩手、宮城、福島の3県で倒壊家屋などの災害ごみは2490万トンで阪神大震災の1・7倍。現地の処理場も被災したため、同省は4月8日、被災地を除いた全国の自治体に協力を要請した。
これに対し、京都市は最大の年間5万トンの生ごみ、がれきを受け入れる意向で、市内の焼却施設で処理する。市は「被災地を積極支援する。地元住民にも理解を求めていく」という。舞鶴市は家具などを同120トン受け入れ、「台風23号被害のとき、ごみを他市で処分してもらった。恩返ししたい」。亀岡市は家具など同2100トン、伊根町は大型ごみなど同100トン、南丹市と京丹波町の船井郡衛生管理組合はがれきなど同1200トンを受け入れる方針。
一方で、慎重な自治体も多い。府内では8市5組合の計13団体が焼却処理を行うが、受け入れ意向を示したのは5団体だ。施設の能力不足に加え、受け入れを表明した愛知県や川崎市では放射能汚染を懸念する住民から苦情が殺到したことも影響する。
向日市、長岡京市、大山崎町の乙訓環境衛生組合は「心情的には受け入れたいが、風評被害を心配する声も想定される。住民合意が不可欠」とし、京丹後市も「市だけでは決められない。地元との協議する時間がいる」と保留している。
環境省は宮城県の災害ごみから依頼する方針で、福島第1原発のある福島県内のごみの放射線測定を始めた。しかし、先月下旬の中間集計で受け入れると回答した団体は約300団体にとどまり、同省は「安全が確認できたごみしか処理を依頼しない。早期復興のため、多くの自治体に協力を求めたい」としている。